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あらすじ

時間に打ち捨てられた湖畔の劇場は今や無人の廃墟。
のはずが、何かが中で蠢いている。
貝殻がうず高く積まれた山から異臭が漂う。
真夜中に群れる真っ黒な浮浪者の影。
彼らはヤチマタの境を越えてやってくる。
魔人猿田彦(さるたひこ)が巡回する半透明有刺鉄線の柵を隔て、
ヒラフ貝の吐息が織りなす脆弱な虚構の物語と、
荒野をさすらう流賊達の無頼な生き様が、
渦を巻いて混ざり合い、警告の鐘を奏で、
やがて湖底の怪物の目を覚ましてしまう



一人の誇り高き女優が引退を決め、湖畔の別荘地で静かな余生を夢見た。
だが湖畔の森は、夜になると姿を変えた。
廃墟の劇場から漏れ聞こえる真夜中のパーティータイム。
魔境を越えて侵入を繰り返す、バスに乗った襲撃者。
女優は思いつめた末に開眼し、正気の境を捨てた



鐘を鳴らして奴が来る。腰に貝殻ぶらさげて。あああ、夢よ、よき友よ



サルタマニア、サンタモニカ!