どーも君です
やましげ君です
マジで寒い日々
如何お過ごしでしょうか?
風邪などひいてませんか?
寒いからこそ心だけでも暖かくありたいものです
私は1月から忙しい日々を過ごしています
本気で働いてる気がしますよ
主にお昼のドラマです
「鈴子の恋」
月曜から金曜まで午後1時半から放送のドラマです
ミヤコ蝶々さんの波瀾の人生を描いています
初めての昼ドラマ撮影の日々
噂には聞いていたんです
昼ドラって大変だよ!と
噂に間違いはありませんでした
朝から夜中までの撮影が続きます
スタジオが遠いのでたまにホテルに泊まったりもします
ただ朝から夜中の撮影なんて夜の連ドラでもあります
それはビックリしません
驚くのは、その分量です
一日で通常のドラマの二倍、下手したら三倍の分量の撮影をします
それだけシーン数も多いし、覚える台詞の量も膨大なものになります
正直大変です
常に台詞に追われていく感覚
そしてシーンが多いって事は物語が進むスピードも早い事になります
当然撮影は台本の時代設定を何度も行き来するのです
だから、今自分の役が何才で?
何があって?
どんな感情なのか?
が生理的に追いつかずパニックになります
これが昼ドラが大変だと言っていた本当の理由かと思い知りました
正直大変ですが、役者として良い経験をしているとヒシヒシ感じます
そして今回の撮影で初めての経験をしました
何だと思いますか?
映像の仕事をやりだして10年
様々な経験を積んできましたが、コレだけはなかったんです
それは「キスシーン」です
キス
その美しい言葉
接吻
その淫靡な響き
口づけは雪をも解かすのか?
台本にそのシーンを見つけた時から心臓がドキドキしました
もちろん大人ですからキスした事ありますよ
何度もね!
だけど、キスって、人前でするものじゃないでしょ?
ましてやそれをカメラであっちこちから撮影されてしまうんですよ!
さらにそれを全国に流されてしまうんですよ!!
こんな恥ずかしい事がありますか!?
監督に正直に言いました
『僕、キスするの初めてなんです…』
「えっ?お前37だろ!?」
『違います!生まれてからじゃなくて、キスシーン初めてなんです!!』
信じてもらえませんでした
10年と言えばそこそこのキャリアです
年齢的にも中堅と呼ばれるポジションです
なのにないのがビックリしたそうです
そして一番怖い事を言われました
「大丈夫!いつも通りやれば良いよ!!」
いつもどうキスするかなんて意識した事ありません
それにいつもは誰も見てない所でします
監督にお願いしました
『言われた通りにやるので、一挙手一投足を全て演出つけて下さい』
役者として最低の発言です
オリジナリティを放棄した瞬間です
しかし、そうでもしないと僕のメンタルが崩壊してしまいそうだったのです
そしてもう一つ
キスシーンには相手役がいらっしゃるのです
もちろん女優さん
とても綺麗な方です
相手役だけに一緒のシーンが多いのですが、相手役の女優さんに対して日々挙動不審になりました
なぜなら僕の頭の中で会う度にキスまでのカウントダウンをしているからです
あぁ、あと一週間でこの人とキスをするんだ…
あぁ、あと2日でこの人とキスをするんだ……
あぁ、あと数時間でこの人とキスをするんだ………
あぁ、これからこの人とキスをするんだ…………
気がつくととんでもない量のフリスクを食べ
尋常じゃない回数のモンダミンを繰り返し
合間を全てガムで埋めていました
そしていよいよ本番が近付いてきます
ドラマでは本番の前に何度かテストがあります
してるフリですが、顔は異常に近くにあります
心臓はバクバクし、手汗は尋常ではありません
そして、いよいよ向かえる本番直前
緊張がマックスに達した僕は…
セットの床に寝転がり、子供のように手足をバタバタさせながら、こう叫んだのでした
『ボケたい!ボケたい!!ボケたぁぁぁぁぁい!!!!!』
…果たして私は本当に役者なのでしょうか?
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