拝啓
あなたは私に様々な事を教えてくれました
あなたに会って私の人生は変わりました
今の私を作ったのは先生、あなたです
どうも六月もやましげです
冒頭は僕の恩師に宛てた手紙です
その恩師とは、福山雅治さんです
…間違えました
大河ドラマで福山さんが演じている役こそが僕の恩師です
坂本龍馬
今更説明するまでもないのですが、簡単に説明すると「江戸時代の終わりに高知から出てきて頑張った人」です
先日念願の夢が叶いました
高知に行って鰹を食べたのです
高知に行って四万十川を眺めたんです
ずっと行きたかった憧れの高知
もちろん仕事です
遊びではありません
BSの旅番組です
遊びではありません
夜は地酒でベロベロです
でも遊びではありません
遊びではないからちゃんとしなければいけません!!
番組の主旨はこうです
「旅人やましげが町を歩きながら美しい景色や地元の人々と出会う」
素晴らしい内容です
高知の自然は本当に素晴らしかった
そして出会った方々も優しい人ばかりで本当に良くしてくれました
何の不満もありません
ただ…
やはり……
どーしても………
高知で行きたい場所がありました…………
太平洋を臨む「桂浜」です
桂浜には巨大な龍馬像があります
坂本龍馬を好きになってから、一度は行きたいと思っていた憧れの地
しかしそこは全国各地から龍馬好きが集まる観光地
ましてや今の龍馬伝ブーム
今回の旅の主旨は「地元の人との出会い」です
この旅で桂浜に行ける訳がなかったんです
龍馬ブームなんか何処吹く風で、高知の自然に触れながら三泊四日の行程は着々と進みます
坂本龍馬像を見るのはキッパリ諦め仕事に専念
(いつかまたプライベートで来れば良いんだ)
最終日
無事にロケも終わり、監督やカメラマンさん達と別れいざ帰路につく
あとは高知龍馬空港に行って飛行機に乗って東京に帰るだけ
メイクさん、番組スタッフさん、そして僕
三人で空港に向かいます
「二時間位かかりますから」
番組スタッフが僕に声を掛ける
歩き疲れていた僕はその言葉を聞くやいなや眠りに落ちていました
車の揺れが心地良く僕を深い眠りに誘います
しばしの暗転
肩を揺すられている事に気付きました
「着きましたよ」
メイクさんが僕に声を掛ける
見渡すとだだっ広い駐車場
空港ではなさそうです
(トイレ休憩かな?)
寝ぼけ眼でそんな事を考えていた僕の頭がメイクさんの次の一言で一気に覚醒しました
「桂浜ですよ」
………!!!!
桂浜!!!!!!!
何故に?
どーして?
ここが!?
パニクる僕にメイクさんが説明してくれます
実はロケが一時間程早く終わった事
少し寄り道しても飛行機に間に合う事
僕の為に桂浜に行こうと相談した事
でも10分位しかいれない事
心が震えるとはこの事です!!
マジでか!?
龍馬に会えるのか!?
その時点で相手が銅像とかブっ飛んでます
車を降り階段の向こうにいる龍馬を目指します
憧れ続けた、追いかけ続けた人がこの階段の上にいる
階段が果てしなく長く感じます
いや実際に長かった!!
龍馬はこんなにも高みにいるのか…
すると突然大きな台座が現れます
何故かまず台座が目に飛び込んできます
この上に彼がいる筈…
ゆっくり目を上げると
そこに
坂本龍馬の大きな背中がありました
ゆっくりゆっくり正面に回り込みます
その顔は
夕陽を背に浴びその顔は
よく見えませんでした…
まるで後光がさすかのような立ち姿にしばし惚れ惚れと見続けていると、目が慣れてきて顔が見えました
険しく、凛々しく、そして雄々しく、何かを見つめていました
振り向くと大きな大きな海が広がっていました
龍馬の愛した海
再び龍馬に目線を戻すとさっきまでの表情とうってかわって、とても優しく見えました
僕も優しい気持ちになりました
上を向くと海よりも広い空がありました
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