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やましげ○○ぼっち Vol.156

2020/11/10 | 山崎 樹範 | やましげ○○ぼっち

1ヶ月のご無沙汰です。山崎樹範です。やましげです。
すっかり寒くなりまして体調を崩している方もいらっしゃるのではないでしょうか?
くれぐれもご自愛下さいませ。

カムカムミニキーナ旗揚げ30周年公演「燦々七銃士」の下北沢スズナリ公演が終わりました。
ご来場頂いたお客様、そして配信でご覧頂いたお客様本当にありがとうございました。
私ももちろん劇場で観ました。
手前味噌になりますが面白かったですねー!
カムカム独特のスケールの大きな話を、スズナリをこれでもかというほど最大限に大きく使い、そして小道具を駆使し表現しておりました。
松村武演出の醍醐味を感じました。
そして役者陣も素晴らしかった。
客演さん達の力も大きいが、個人的には劇団員の芝居に胸をうたれた。
大きな役割を与えられた者も、恐らく誰よりも忙しく働きながら舞台を支え続けている者も、皆が素晴らしかった。
一介の役者である僕が思う良い舞台は誰1人サボらない舞台である。
当たり前すぎて何を今更と思われるかもしれませんが、舞台は主役1人で出来るものではありません。
台詞を言っている役者だけで成立するものでもありません。
物語やその熱量は舞台上にいる全ての役者が作ります。
カムカムの劇団員はサボらない!
同じ舞台を作る仲間としてとても心強く思いました。
本当なら終演後に1人1人声をかけたかったですがそうもいかず、かといって1人1人に連絡するほどベタベタした関係でもない。
なのでこの場を借りている訳です。

さて、話は変わって先日浅草に芝居を観に行きました。浅草花やしき内にある花劇場。
以前も書きましたが浅草は子供の頃からよく行きました。
父親に連れられて場外馬券場。友達と花やしき、大きくなってからは叔母が営むスナック。
しかし一度も足を運んだ事がなかった憧れの場所についに行く事が叶ったのです。
地元足立区のスーパースター、世界の北野ことビートたけしさんが浅草のストリップ劇場で修行中に通ったお店です。
たけしさんが歌う名曲「浅草キッド」の歌詞にも登場するお店。

『お前と会った仲見世の  煮込みしかないくじら屋で  夢を語ったチューハイの  泡にはじけた約束は…』

まさにそのくじら屋で煮込みを食べながらチューハイを飲みました。
くじらの刺身も頂きました。
煮込みはとても染みていて、チューハイは想像していたよりもキツくなく優しい味で、くじらの刺身は癖もなくまた食べにこようと思うほど美味しかった。
ついに夢が現実になった嬉しさとほんの少しの侘しさを抱え帰路に着きました。

何度も何度も読み返した小説、僕のバイブル「浅草キッド」の主人公のような気持ちで浅草をぶらりと歩き、、、
とはいかず若者でごった返す街をすり抜け、隣には伴侶がいる。
キッドと呼ぶにはあまりにも歳を取りすぎた僕の20年以上想い続けた夢は銀座線が揺れる度にチューハイの泡とともに少しずつはじけたのでした。
新橋、赤坂見附、青山一丁目、表参道。
いつの間にか聞き慣れた都会の地名を聞くたびに現実に引き戻されるのです。
夢から覚めた僕は家に帰り、なんとなく避けていた次の仕事の台本を開くのでした。

そして、数ページ読んだところでいつの間にか眠りに落ちていたのでした。
やはり僕はいまだ夢見る子供なのでしょうか。

お知らせですが、長いこと続けてきたこの「やましげ◯◯ぼっち」は劇団ホームページリニューアルに伴い、来月をもって終演となります。
長い時間お付き合い頂きありがとうございました。
また来月お会いしましょう!

山崎樹範

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