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やましげ○○ぼっち Vol.62

2013/01/10 | 山崎 樹範 | やましげ○○ぼっち

あけましておめでとうございます
やましげです
皆様はどんなお正月を過ごされましたか?
僕はすっかり寝正月
ワイドショーで見る芸能人のようにハワイに行ったりはしませんでした
お正月に海外に行く
いつかそんな日がくるのかしら?

海外と言えば、昨年12月に仕事でカンボジアに行ってきました
羽田空港からバンコクに行き、トランジットしてプノンペンへ
車に3時間以上揺られます
ガタガタ道
喋ってたら舌噛むぜ
そこから小さな船に乗り換えます

そこは大きな大きな湖

琵琶湖の13倍の大きさだと言うトンレサップ湖
湖の上にはいくつもの集落があり、120万人以上の人が住んでいる
その一つの村に行きました
人が住む家があり、マーケットがあり、警察や病院があり、携帯ショップまである
ただ、それらの全てが湖の上に浮いているのです
移動は全て船
船よりも舟が適切かな?

学校があり2日だけの留学
もちろん仕事です
バラエティの撮影でした
泊まりは4年生の兄弟の家
一緒に高台から飛び込んだり
一緒に昼寝したり
ご飯ご馳走になったり
ビール飲んだり

途中から本気で実家のような気分になり、かなりあつかましくなった俺

ティナン(4年生の男の子)と指でボールペンを弾く遊びをずっとしてた
相手のボールペンを決められたラインの外に弾き飛ばせば勝ち
俺は下手だからティナンが「この場合はこうやるんだよー」って何度も教えてくれた
テレビでは時間の都合でカットされていたけど
他にもカットされたものもあります
ワニを養殖している家もあったし、なぜか大蛇を飼っている家もあった
たまたま結婚式をしていたのでお邪魔したりもしました

そんな時間もあってホームステイ先のティナンとか本当に仲良くなった
もちろん三人の兄弟姉妹とも
沢山遊んだ
疲れて昼寝しちゃうほどね
彼等も日本からテレビ局のスタッフが来ている事は理解している
カメラがまわると少し緊張したりして

お別れの時
カメラがまわってない時にティナンがこっそり僕の所にやってきた
必死に何かを伝えようとしている
何故か僕は全て理解出来た
言葉は全く分からなくてもだ
ティナンは僕にもう一晩だけ泊まっていけと言っていた
もっと遊ぼうと
一緒に寝ようと

つらかったがどうしてもその日に帰らないといけなかった
翌日には日本で仕事があるから
僕は日本語で伝えた
ティナンは理解していた
本当に寂しそうな顔をしていた
僕も本当に寂しかった
もう一晩でも二晩でも泊まりたかった

湖から陸に戻り、車でプノンペンに向かう途中
ティナンの母親からコーディネーターさんに電話がきた
僕らが帰ってからティナンがずっと泣いていると
ガタガタ道を走っているせいか、僕の目から涙がこぼれてしまった

これじゃあウルルンじゃないかと思ったがしょうがない
帰り道ずっと不思議だった
別れの時、なぜ僕はティナンの言葉を全部理解できたのだろう?
なぜティナンは僕の言葉を理解できたのだろう?
言葉って何なんだろう?
国境って何なんだろう?
豊かとか貧しいとか何なんだろう?

僕の中にあった価値観が壊れた
ほんの少しかもしれないけど確かに壊れた

せっかくだから壊れたまんまでいたい
今年もよろしくお願いいたします


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