ストーリー

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カムカムミニキーナvol.64

「狼狽」(ロウバイ)~不透明な群像劇~


その刹那、彼らは一様に、狼狽の色を隠せなかった・・・

「狼」は前足長くして後足短し。「狽」は前足短くして後足長し


あらすじ

人気作家のゴーストライター疑惑を追う一人の記者がたどり着いた関東奥地の山村。

時代から取り残されたようなその狭い地域には、
狼に命を救われたという、
都落ちの悲劇の皇子の伝説が色濃く残る。

どこか後ろめたい空気を漂わせる村人達は一様に犬を飼っていて、
四六時中、村には犬の遠吠えが鳴り止まない…

古民家に滞在し、不気味な日々を過ごしながら、記者は件の作家を追い詰めていく。

やがて『狼谷にもう一つの村がある』というメモを残して、
その記者は忽然と姿を消したのだった…